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海ごみの現場から

「ごみが漂着しなかった」イコール「ごみが発生しなかった」わけではない

台風14号の神奈川県の海岸への影響は限定的なものでした。

影響があったのが下記のエリア。

横須賀市走水海岸では、人工ごみ混じりの海藻が大量に漂着。
海藻だけならまだ良いのですが、この中にプラスチックなどの人工ごみが大量に混じっていて、それを取り除くのがとても厄介です。
それを取り除けるのは、人の手のみ。海藻をほじると中からプラごみが終わりなく出てくるので、その作業が一番手間がかかります。

鎌倉市材木座では、人工ごみプラス海藻と木くずが帯状に漂着。
今回、台風の接近&通過後も、ずっと北風が吹いていたため、海岸が南に向いている相模湾側の海岸にはほとんどごみがあがりませんでした。そうした中、材木座にごみがあがったのは「どうしてここだけ」という感じでした。

小田原市山王川河口では、ペットボトルが大量に漂着。
ここは、川から流れてきたごみがテトラなどの構造物の影響でひっかかるポイント。こうしてみると、今回の台風10号では、あまり神奈川県の海岸にはごみが漂着しませんでしたが、それはごみが発生しなかったわけではなく、雨によって陸域から海へごみは大量に流れ出たものの、陸から海へと吹く北風の影響で、そうしたごみが海岸に漂着しなかっただけです。

今回の台風14号。終わってみれば拍子抜けな結果となりましたが、これが静岡県あたりに上陸して、日本縦断のようなコースをとっていたら、一面ごみだらけの状況は避けられなかったことでしょう。

あのまさかのUターンと北風に助けられました。清掃する立場としてはひとまずほっとしておりますが、「ごみが漂着しなかった」イコール「ごみが発生しなかった」ことではありません。

視点を地球規模で見てみれば、永遠に拾えない海洋ごみが増えてしまったといえるかもしれません。

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