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海岸清掃事業

海をキレイにする

海岸清掃事業

海岸清掃事業 2019年度トピックス

2019年度 海岸清掃事業 概要
海岸ごみ回収量 合計:2,259トン ( 可燃:1,471トン 不燃:326トン 海藻:462トン)

令和元年度は、海岸へのごみの漂着が少なく、落ち着いたスタートになりましたが、5月に遅れてきた春の嵐が襲来し、一気にあわただしくなりました。
6月後半から7月にかけては記録的な長雨、そしてお盆には台風10号の襲来と、あまり天候に恵まれなかった夏の海岸では、清掃してもすぐに次のごみが漂着する状況が続きました。
秋に入ると、9月に15号、10月に19号と大型の台風が襲来し、過去最大級のごみをもたらしました。そのため、財団の清掃と合わせ、県による国の補助金を活用した清掃も実施されました。一部の海岸では、ごみの搬出が年度を越えることとなりました。

2019年度 1年間の海岸状況
4月 真鶴町三ツ石海岸にクジラ漂着

4月11日、真鶴町三ツ石海岸の岩礁部に体長約9メートルのコククジラの死体が漂着しました。現地で国立科学博物館による解剖調査後、同博物館と真鶴町の職員によって解体処理されました。

5月 バーベキュー(BBQ)シーズンの始まり

令和元年度も5月のゴールデンウィークから一気にBBQごみが増え始め、週末のたびに大量のBBQ関連のごみが海岸に捨てられていく状況が秋まで続きました。BBQごみの多くに食材などの生ごみが混入していたため、カラスや猫等に荒らされ、ごみが周囲に散乱し、さらに回収に手間がかかるケースがほとんどでした。

5月 メイストーム襲来

春先は、低気圧が急速に発達して「春の嵐」「メイストーム」と呼ばれる台風並みの激しい気象現象が発生することがあります。令和元年度は、少し遅めの5月21日に発達した低気圧が通過した影響を受けて、藤沢市から小田原市の海岸にかけて大量のごみが漂着し、緊急清掃を実施しました。小型の台風並みのごみ量でしたが、この緊急清掃と翌週以降に各エリアで実施されたごみゼロクリーンキャンペーンとの相乗効果で、早々に海岸を復旧させることができました。

6~7月 記録的な長雨と止まらない南風

6月から7月にかけて梅雨前線が停滞し、東京都心では6月27日から7月29日まで33日間連続で降水が観測されるなど、記録的な長雨となりました。海岸では連日、海からの南風が吹き続け、雨で海まで流れ出たプラスチック片などの軽いごみがこの風によって海岸にだらだらと上がり、清掃してはごみが漂着する繰り返しで、非常に苦労しました。

8月 お盆に台風10号襲来

8月15日には台風10号が西日本に上陸し、台風の東半円に入っていた神奈川県では、お盆期間真っ最中の13日~16日まで、台風の波浪や雨の影響を受けました。直撃を免れたので、通常の台風ほどごみは多くありませんでしたが、一気に戻った酷暑の中での清掃作業に消耗させられました。

9月 台風15号襲来

9月9日に襲来した台風15号は、三浦半島をかすめ千葉県に上陸するコースを通り、通過後は強い南西風が吹き込みました。そのため、普段台風が来ると大量にごみが漂着することが多い相模湾の西側の海岸より、三浦半島の西向きの海岸に大量のごみが漂着し、葉山町や鎌倉市の海岸で緊急清掃を実施しました。

10月 台風19号襲来

令和元年度、海岸に一番影響が大きかった気象が、10月12日に襲来した台風19号。近年では平成19年9月に西湘バイパスを崩落させた台風9号以来となる、甚大な被害をもたらしました。そのごみの総量は約700トン。これは財団が処理する年間ごみ量の3分の1に匹敵するだけでなく、これまでの台風一回のごみの最高値350トンを一気に倍も更新するという、桁違いの量になりました。また、台風の波は海沿いを走る西湘バイパスのパーキングエリアを破壊しただけでなく、後背地の家屋や施設にも大きな被害をもたらしました。

10月 東京湾に重油漂着

台風19号の影響で、川崎市東扇島沖で貨物船が沈没し、そこから流出した燃料用の重油が東京湾側の海岸に漂着しました。財団でも、横須賀市走水海岸、や三浦市金田海岸、菊名海岸で、大量の台風ごみに混じって重油が付いたごみを確認しました。

台風19号のごみ処理

台風19号がもたらしたごみが過去に類を見ないほど莫大だったため、財団では、平塚市から小田原市までの海岸において、残り全ての清掃費を投入し、人工ごみの除去とごみの集積、整理作業にあたり、年末までに作業を完了させました。そのごみの搬出作業については、国の「災害関連緊急大規模漂着流木等処理対策事業」を活用して神奈川県主導で行いました。こうした国の補助を活用した清掃との連携は財団設立以来、初めての出来事となりました。

屑かごごみ調査

藤沢市域と茅ヶ崎市域の海岸に設置されていた屑かごのごみ調査を市と共同で定期的に実施したところ、ごみの多くが産業廃棄物の不法投棄と家庭ごみの持ち込みでした。不適正利用率が非常に高かったことに加えて、「かながわプラごみゼロ宣言」を踏まえ、リサイクルされない、廃棄されるプラごみゼロを目指す観点から、上記エリアの屑かごは廃止されました。現在継続設置されているものは「ボランティア清掃ごみ回収ボックス」となっています。

財団直営部隊における海岸ごみ清掃事業

7月から12月までの114日間、4人組1班体制で財団直営部隊が海岸清掃に取り組みました。直営部隊は、ごみ量が多い場所や優先順位の高い海岸の清掃などを実施し、約169トンのごみを回収することができました。