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海岸清掃事業

海をキレイにする

海岸清掃事業

海岸清掃事業 2021年度トピックス

2021年度 海岸清掃事業 概要
海岸ごみ回収量 合計:1,838トン ( 可燃:1,422トン 不燃:240トン 海藻:176トン)

2021年度は、ごみの多い年でした。
前年度に周期的に襲来していた春の嵐が新年度になっても続き、清掃してもすぐに新たなごみが漂着しました。
5月から10月まで、海岸各所でバーベキューごみの放置が例年以上に目立ちました。
夏は、7月の初頭と8月のお盆の二つの豪雨により、海岸に大量のごみが漂着しました。
秋は、10月に台風16号が襲来、11月と12月の初頭に大雨が降り、それらのごみの回収に追われました。
その後は、3月まで天気が非常に安定し、ごみの少ない冬となりました。

4月 前年度から春の嵐が続く

前年度の2月に、発達した低気圧が本州南岸を通過した影響で関東は春の嵐となり、それまでキレイだった海岸が一気にごみだらけになりました。その後も3月は、13日、21日、28日と毎週のように春の嵐が襲来し、その度に大量のごみをもたらしたため、令和3年度はこれらのごみを片付けていくことからスタートしました。
4月に入っても、春の嵐は周期的にやってきて、4月17日に続いて、最後はゴールデンウィーク初日の4月30日に襲来し、ごみの多い連休となってしまいました。

5~7月 海外からの漂流ごみの漂着が続く

5月から7月にかけて、黒潮に乗ってきた海外からの漂流ごみが多く漂着しました。
普段見かけない漁具やペットボトルなどが、海からの風が吹く度に沖合からやって来ました。雨が降ったタイミングで漂着する陸からのごみとは異なり、いつ上がってくるか分からないのと、漁網のような処理困難物が多くあり、非常に悩まされました。

5月 高分子吸水ポリマーが大量漂着

5月18日、三浦市/横須賀市和田長浜と三浦市諸磯海岸に高分子吸水ポリマーと思われるモノが大量に漂着しました。
ロウソクの蝋より少し柔らかい感触で、細かなフレーク状になっており、回収するのが非常に大変でしたが、約20㎏回収しました。

5月~10月 例年以上のバーベキューごみ

5月から10月まで海岸に放置されたバーベキューごみが非常に多かったです。
コロナ禍の影響もあり、海岸でのバーベキューは近場で楽しめる屋外レジャーとして大人気で、それまでなかったマイナーな海岸までバーベキューごみが目立ちました。そのあまりの酷い状況にニュース番組にも取り上げられました。

7月~8月 二つの豪雨でごみが多かった夏


夏は、7月初頭と8月お盆の二つの豪雨により、大量のごみが漂着しました。
どちらも、雨の直後は、海からの南風が吹かず、多くのごみが沖合に漂ったままで、海岸へのごみの漂着は限定的でした。
しかし、その後は南風が吹き続け、沖合のごみがダラダラと海岸に打ちあがり、清掃しても翌日には元通りになってしまう状況でした。
また、山間部でより多くの雨を記録した8月の豪雨では、山間部から流出した流木が、強い南西風によって、相模湾の東側の海岸に大量に漂着しました。

9月 小田原にクジラが漂着

9月13日、小田原市前川海岸にクジラの死骸が漂着しました。
体長は15メートルほどで、マッコウクジラの成体とみられ、漂着時にはかなり腐敗が進んだ状態でした。
クジラの死骸は、研究者によって解剖調査された後、海岸に埋却処理されました。

9月・10月 台風14号と16号が接近

9月18日、台風14号の接近で、県内の河川で一時氾濫危険水位を超えるほどの激しい雨が降り、相模湾沿岸には人工ごみ混じりの木くずが大量に漂着しました。
そのごみがやっと片付いてきた10月1日には、台風16号が接近し、14号同様激しい風雨をもたらした影響で、海岸は元のごみだらけの状態に戻ってしまいました。
この二つの台風の影響で、浄化槽の中にある微生物を付着させる役目を持つ「担体」というプラスチック製の輪が流出し、海岸各所で大量に発見されました。

11月・12月 月初の大雨でごみが大量に漂着

例年、ごみの漂着が落ち着く11月と12月ですが、11月は9日に、12月は1日に大雨が降り、前記の10月と合わせて、一か月ごとにせっかくキレイになった海岸が汚れてまた清掃することを繰り返しました。
11月は降雨直後に強い南西風が吹いたため、逗子や鎌倉など相模湾の南西向きの海岸にごみが多く漂着しました。また、12月は、降雨後の風が真南だったので、偏りはあまりなく沿岸全域にごみが漂着しました。

12月~2月 安定した天気が続く。相模湾側はキレイで、東京湾側はごみが多い

12月から年が明けた2月まで安定した天気が続き、相模湾沿岸は、キレイな状態が続きました。
相模湾側では、海岸の多くが南に向いているため、たとえ雨が降って陸から海へとごみが流れ出ても、冬の北風が海から海岸にごみが打ち寄せるのをブロックします。
それと真逆なのが、東京湾側の北向きの海岸です。北風によって湾内に浮いているごみが海岸に吹き寄せ続け、連日、ごみの漂着が止まりませんでした。
特に酷かったのが、横須賀市走水海岸や旗山崎海岸、三浦市唐池海岸。これらの海岸は、海岸線の端に位置し、北風の風下にあたるため、北風によって沿岸域のごみが吹きだまりやすく、風が強い日は、清掃しているそばからごみが上がってくる状況で、冬の間は、キレイにしてもすぐにごみだらけの状態に戻ってしまうことが繰り返されました。

2月・3月 クギが大量に露出

春先の強い南西風によって海岸の表面の砂が飛んで、砂の中から「クギ」が大量に出てきました。
これは、夏の海の家の解体時に砂浜に落ちたモノで、古いクギだけでなく、新しいものもかなりあり、海の家が建つ全ての海岸で見つかります。
美化財団では、毎年千本単位で回収していますが、なかなか減らないのが現状です。

財団直営部隊における海岸ごみ清掃事業

7月から3月までの162日間、4人組1班体制で財団直営部隊が海岸清掃に取り組みました。
直営部隊は、ごみ量が多い場所や優先順位の高い海岸の清掃などを実施し、約201トンのごみを回収することができました。

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