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海岸清掃事業

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海岸清掃事業

海岸清掃事業 2018年度トピックス

2018年度 海岸清掃事業 概要
海岸ごみ回収量 合計:2,464トン ( 可燃:1,416トン 不燃:357トン 海藻:691トン)

2018年度は、前年度から繰り越した大量のごみの撤去作業からスタート。
7月上旬にはカツオノエボシが大量に漂着、下旬には東から西という通常とは真逆のコースを進んだ台風12号が襲来、8月には鎌倉市由比ヶ浜にシロナガスクジラの赤ちゃんが漂着し、その胃からプラスチック片が発見されたことも大きなニュースになりました。
9月下旬には台風24号が襲来し、大量のごみの回収に11月までかかりました。しかし、その後は、年度末の3月までピタッとごみの漂着が収まり、一年間でならしてみれば、例年同様のごみの回収量になりました。

1年間の海岸状況
4月 前年度の繰り越しごみの処理


例年4月に襲来することが多い『春の嵐』が、2018年は1ヶ月早い3月9日に訪れた影響で海岸には季節はずれの大量のごみが漂着しました。
しかし、3月は年度末で清掃費がほとんど残ってなく、十分な清掃ができなかったため、新年度の4月は、いきなりこの「前年度から繰り越した」大量の漂着ごみと対峙することになりました。
大型連休も控えていたため、このごみを撤去するのに、年度の初めから緊急清掃費の当初予算額全額と、市町によっては年間清掃費の1/4も使わざるを得ず、苦難の年度始まりになりました。

5月 バーベキュー(BBQ)シーズンの始まり

2018年度も大型連休から一気にBBQごみが増え始め、週末のたびに大量のBBQ関連のごみが海岸に捨てられていく状況が秋まで続きました。
BBQごみの多くに食材などの生ごみが混入していたため、カラス等に突かれ、周囲に散乱し、さらに回収に手間がかかるケースがほとんどでした。

5月 ミズナギドリ大量漂着

5月下旬に、ミズナギドリの死骸が大量に漂着しました。
このミズナギドリとは、5月から6月にかけてオーストラリア南東にあるタスマニア周辺から北海道の根室沖に飛来する渡り鳥で、北上していく途中で悪天候などで命を落とした個体が毎年この時期に海岸に点々と打ちあがってきます。2018年度は、約100羽の死骸を回収しました。

7月 カツオノエボシ大量漂着

海水浴シーズンに入った7月初め、相模湾沿岸各所にカツオノエボシが大量に漂着しました。
カツオノエボシは大きさ3~4センチほどのクラゲで、風船のような青い浮き袋が目を引きますが、触手に強い毒を持ち、死んでいても危険なため、地元自治体から注意喚起が出されただけでなく、新聞やTVニュースにも取り上げられ、大きな話題になりました。

7月 台風12号襲来

7月28日に襲来した台風12号は、東から西へと通常とは真逆のコースを進み、相模湾沿岸を反時計回りに通過していったため、普段あまり台風の被害を受けないエリアの海岸に大きな爪痕を残しました。
湯河原町の吉浜では海の家12軒が全壊したのをはじめ、小田原市御幸の浜では海岸の一番奥にあったトイレにまで波が流れ込んだり、真鶴町琴ヶ浜では堤防を越えて波が打ち寄せ、海沿いのマリーナや民家に大きな被害が出ました。

8月 シロナガスクジラ漂着

8月5日、鎌倉市由比ヶ浜に体長約10メートルのシロナガスクジラの赤ちゃんの死骸が漂着しました。
国内でシロナガスクジラが漂着するのは初めてのケースで、それだけで大きな話題になりましたが、その後の調査でクジラの胃からプラスチック片が一個見つかったことが、さらに多くの方の関心を引き、海洋プラスチック問題への取組みの新たな契機となりました。

9月 台風24号襲来

平成30年度において海岸に最も影響があった気象は9月30日に日本列島を縦断していった台風24号でした。
神奈川県は台風の進路の東側に位置していたため、台風の影響をより大きく受け、強い風雨と波浪に見舞われ、茅ヶ崎市以西の海岸では人工ごみ混じりの木くずや大型のガラクタなどが大量に漂着しました。

10月 花火大会後のごみ

夏から秋にかけて沿岸で開催された花火大会の翌日の海岸はごみだらけとなり、早朝から必死に片付けましたが、特にひどかったのが10月の「ふじさわ江の島花火大会」の翌日でした。花火大会開始直前に雨が降り始めたことにより、シート類をそのままにして帰る観客が続出。その惨状はTVニュースに取り上げられたほどでした。

10月・11月 台風24号のごみ処理続く

9月末に襲来した台風24号は莫大な量のごみを海岸に残していきました。年間の緊急清掃費だけでは足りず、神奈川県に緊急清掃費を増額措置していただき、清掃を実施しました。
茅ヶ崎市や平塚市のエリアでは、約300トンのごみが漂着したため、全て回収し終わるのに11月末までかかりました。
また、巨大な流木等、通常の清掃で処理するのが難しい処理困難物は、海岸管理者である神奈川県の土木事務所のご協力を得て、片付けることができました。

12月~3月 安定のオフシーズン

冬場は雨が少なく、天気も安定するので、ごみの漂着は少なくなりますが、それでも、年末や3月頃には発達した低気圧が通過して、それなりの量のごみが漂着するのが例年のことでした。
しかし、2018年度は、そういう状況がまったくなく、12月から3月までの長期間にわたって、ごみの漂着がほとんど見られない特異なオフシーズンになりました。
そのおかげで、平塚市虹ヶ浜や小田原市山王海岸などで長年清掃できずに海岸に残さざるを得なかったごみを平成27年9月以来4年ぶりに撤去することができ、従来の清掃目標である「1年に1回神奈川県の海岸を清掃の必要のない状態に戻す」ことを達成できました。

海藻の漂着量の減少

これまで、最高約13,000トン、平均して約4,000トンもの海藻を年間処理してきましたが、処理量は減少傾向で、2018年度は691トンまで激減しました。三浦半島でもウニなどの食害により沿岸の海藻が著しく減少する『磯焼け』問題もクローズアップされており、海中の環境の変化を海岸でも感じます。

財団直営部隊における海岸ごみ清掃事業

7月から翌年の1月末までの131日間、4人組1班体制で財団直営部隊が海岸清掃に取り組みました。
直営部隊は、ごみ量が多い場所や優先順位の高い海岸の清掃などを実施し、約140トンのごみを回収することができました。