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海岸清掃事業

海をキレイにする

海岸清掃事業

海岸清掃事業 2020年度トピックス

2020年度 海岸清掃事業 概要
海岸ごみ回収量 合計:1,470トン ( 可燃:1,028トン 不燃:203トン 海藻:239トン)

2020(令和2)年度は、二つの点で特別な年となりました。
一つ目がコロナ禍の影響です。春には海岸への立ち入りの自粛が呼びかけられ、夏には海水浴場が開設されませんでした。こうした状況下でも清掃を止めることなくしっかりと海岸美化に努めました。
二つ目が台風が上陸しなかったことです。そのため、10月から2月上旬まで海岸は非常にキレイな状態が続きました。
しかし、2月中旬から3月にかけて連続して春の嵐が襲来し、一気に海岸が汚れ、その清掃対応であわただしい年度末となりました。

2020年度 1年間の海岸状況
4月~5月 海岸への立ち入り自粛の中、清掃は継続

4月7日に国から神奈川県を含む7都府県に緊急事態宣言が出され、4月16日にその対象が全国に拡大されました。そして、4月23日から緊急事態宣言が解除される5月25日までの間、神奈川県では、県から海岸への立ち入り自粛が呼びかけられました。
これを受け、財団では海岸清掃ボランティアの支援を見合わせました。しかし、こうした状況下でも、海岸には、低気圧が通過した影響でごみが大量に漂着したり、バーベキューのごみが放置されていたりとごみが無くなることはなく、財団では必要な感染防止対策を講じながら清掃を継続し、できる限り海岸美化の保持に努めました。

7月 カツオノエボシ大量漂着

7月初旬、相模湾沿岸各所にカツオノエボシが大量に漂着しました。
カツオノエボシは大きさが3~5センチほどのクラゲで、風船のような青い浮袋が目を引きますが、触手に強い毒を持ち、死んでいても危険なため、自治体から注意喚起が出されただけでなく、TVニュースなどにも取り上げられ、大きな話題になりました。

7月・8月 海水浴場が開設されない異例の夏。清掃はいつも通り実施

コロナウイルスの影響で、神奈川県内全ての海水浴場が開設されない異例の夏となりました。
とはいえ、海岸には多くの人が訪れることが予想されたので、江の島周辺や鎌倉などの海岸は、7月と8月は毎日、夜明けとともに清掃を開始するなど、全てのエリアでいつも通り清掃を実施しました。

7月 長雨と南風で途切れない漂着ごみ

7月は梅雨前線が日本付近に停滞し、7月の東京の降水日数が30日に達するなど、非常に雨が多い月でした。
相模湾沿岸では、連日、海からの南風が吹き続け、雨で陸域から海まで流れ出たごみがこの南風によって海岸にだらだらと上がり続け、その結果、7月一か月間で、平塚市から二宮町にかけての海岸に約200トンのごみが漂着しました。

8月 記録的な酷暑での海岸清掃が続く

 

8月に入ると天気が一転。連日厳しい日差しが照りつけ、藤沢市辻堂では8月の平均気温が史上最高を記録するなど、記録的な酷暑となりました。
海岸清掃の現場では照り返しで気温が40度を越えることもあり、そんな中、コロナ対策でマスクをしながらの清掃は非常に体力を消耗する作業でした。

9月 ワッズ大量漂着

大磯町照ヶ崎に散弾銃の薬きょうの中にある「ワッズ」と呼ばれる部品が大量に漂着し、約200個を回収しました。ワッズは、弾を撃った際、散弾と一緒に飛んでいってしまうため、その場で回収するのが難しいのが現実です。
神奈川県では、丹沢などで狩猟が行われているため、雨が降ると狩猟区に落ちたワッズが海まで流れてきます。海岸ごみの多くが、山中を含め、陸域全体から川を通じて流れてくることを示すモノのひとつです。

9月~2月 「北風」「台風上陸無し」「少雨」で海岸はキレイな状態が続く

9月から北風が吹き、海に流出したごみが海岸に吹き寄せられませんでした。また、12年ぶりに一度も台風の上陸がなく、その後の11月や12月でも記録的に降水量も少なかったという、海岸にごみが漂着しない条件が長期的に続いたため、秋から冬にかけて、海岸は非常にキレイな状態が維持されました。
その分、普段、手が回らない岩礁部などの清掃を実施することができました。

2月・3月 春の嵐4連発

2月15日に、発達した低気圧が本州南岸を通過した影響で関東は春の嵐となり、それまでのごみひとつない海岸が一変し、大量のごみで覆われてしまいました。
特にひどかった、葉山町長者ヶ崎海岸~森戸海岸、逗子市逗子海岸、鎌倉市材木座~七里ヶ浜・腰越海岸、藤沢市片瀬東浜・片瀬西浜・鵠沼海岸、真鶴町真鶴海岸で、延べ40日間の緊急清掃を実施しました。
これで終わりかと思っていたところ、3月に入ると3月13日、21日、28日と毎週のように春の嵐が襲来し、その度に大量のごみをもたらし、清掃に追われる年度末となりました。

2月 クギが大量に露出

2月19日、藤沢市片瀬東浜で、強風によって表層の砂が飛ばされ、砂の中から夏の海の家の解体時に出たと思われる釘が大量に出てきました。
古い釘だけでなく、何年も経過していないように見える新しい釘も目立ちました。二人で15分間で474本も回収し、その後もボランティアの協力も得て、取れる範囲のクギはすべて回収しました。

横浜銀行様からの寄付金で海岸清掃用車輛を購入

神奈川県横浜銀行様は、「SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」を締結し、地域経済を担う県内中小企業への経営アドバイス・情報提供や神奈川県との協働施策を進めており、横浜銀行様はその一環として「SDGsフレンズローン」を取り扱っています。「SDGsフレンズローン」が多くの方に利用されたことを記念して横浜銀行様から当財団にいただいた寄付金で、海岸清掃用車輛を購入しました。
12月8日、株式会社横浜銀行代表取締役常務執行役員小峰直様と神奈川県理事いのち・SDGs担当山口健太郎様にご参列いただき、車輛の贈呈式を開催しました。

財団直営部隊における海岸ごみ清掃事業

7月から12月までの118日間、4人組1班体制で財団直営部隊が海岸清掃に取り組みました。
直営部隊は、ごみ量が多い場所や優先順位の高い海岸の清掃などを実施し、約165トンのごみを回収することができました。