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調査研究事業

どんなごみがあるの? どこから来るの?

調査研究事業

海岸ごみ実態調査

調査時期

1992年11月~1995年2年
各年5月・8月・11月・2月(四季の状況把握のため)

調査目的

海岸ごみの実態を把握し、海岸ごみの発生源や組成等を明らかにすることにより、適正な海岸清掃計画を策定して海岸清掃事業の推進を図るとともに、海岸美化啓発のための資料を作成し、清潔で快適な海岸の保全に資することを目的とする。

調査方法

平成4年から3年間、3地区において10回ずつ、延べ30回にわたり調査を実施した。

場所

本部地区、横須賀三浦地区、西湘地区において、中小河川に隣接する海岸をそれぞれ一箇所選定。調査区域は、概ね海岸面積の約10%とした。

調査海岸 市町 隣接河川 所管 海岸面積(㎡) 調査区域面積(㎡)
久里浜海岸 横須賀市 平作川 横須賀三浦出張所 8,100 675
金目川右岸~大磯町境の海岸 平塚市 金目川 本部 40,000 3,675
山王網一色海岸 小田原市 山王川 西湘出張所 46,400 4,800
具体的方法

海岸面積の約10%に当たる調査区域に縄張りをし、区域内の全てのごみを熊手等で収集。

発生源別調査

放置ごみ・漂着ごみ・海洋発生ごみに、性状、汚染状況、散乱場所から判断して分別。

組成別調査

収集したごみ全量を、組成別に分類して重量を測定。

調査内容まとめ
ごみの発生率(重量、容量)

調査海岸全体の、面積1㎡あたりのごみ重量の平均値は、4.68gだった。海岸1㎡あたりのごみの重量は、年度を追うに従って減少傾向にあった。

年度 4 5 6 平均
ごみの収集量(㎏) 66.2 52.2 46.5 55.0
ごみの容量(ℓ) 395.3 341.2 296.8 344.4
単位容積重量(㎏/㎥) 167.5 153.0 156.7 159.7
海岸全体のごみの重量(㎏) 683.7 539.1 480.2 568.0
海岸全体のごみの容量(ℓ) 4,082.6 3,523.9 3,065.3 3,556.9
海岸1㎡のごみの重量(g/㎡) 7.23 5.70 5.08 6.01
発生源別調査

全体の集計結果では、1位は、漂着ごみ(287.8kg)で、全体の67%を占めていた。漂着ごみの構成比を海岸別に比較してみると、久里浜、山王、金目それぞれ65%~69%の範囲内で、海岸別の差は認められなかった。また、季節別、年度別に集計しても、64%~68%の比率となった。

久里浜 金目川右岸 山王網一色 全体
重量 構成比 重量 構成比 重量 構成比 重量 構成比
放置ごみ 23.0 22.09 38.4 32.76 66.8 32.25 128.2 29.93
漂着ごみ 71.6 68.78 76.2 65.02 140.0 67.61 287.8 67.18
海洋発生ごみ 9.5 9.13 2.6 2.22 0.3 0.14 12.4 2.89
合計 104.1 100.00 117.2 100.00 207.1 100.00 428.4 100.00

(単位 重量:㎏ 構成比:%)

組成別調査

全体の集計結果では、組成別の種類で最も多かったのは、「木、草、わらくず等」で47%を占めていた。「木、草、わらくず等」のほとんどは、河川から流出した自然系のごみであった。年度別の集計では、年度を追うごとに自然系のごみは減少し、人工系のごみは増加していた。

久里浜 金目川右岸 山王網一色 全体
重量 構成比 重量 構成比 重量 構成比 重量 構成比
廃プラスチック類 22.1 21.23 20.5 17.49 36.2 17.48 78.8 18.39
紙くず 3.8 3.65 7.1 6.06 5.3 2.56 16.2 3.78
木、草、わらくず等 37.3 35.82 55.2 47.09 109.0 52.63 201.5 47.03
繊維くず 2.5 2.40 0.1 0.09 1.5 0.72 4.1 0.96
厨芥類 0.8 0.77 0.7 0.60 1.3 0.63 2.8 0.65
金属くず 8.9 8.55 15.7 13.40 36.0 17.38 60.6 14.15
ガラスくず 6.9 6.63 10.2 8.70 13.1 6.33 30.2 7.05
海藻類 7.7 7.40 0.0 0.00 0.1 0.05 7.8 1.82
動物の死体等 0.3 0.29 0.0 0.00 1.1 0.53 1.4 0.33
その他 13.8 13.26 7.7 6.57 3.5 1.69 25.0 5.84
合計 104.1 100.00 117.2 100.00 207.1 100.00 428.4 100.00

(単位 重量:㎏ 構成比:%)

まとめ

海岸ごみの約70%が河川上流部から流出した漂着ごみである事が判明した。今後の海岸清掃で第一に考えなければならない事は、河川部一帯における海岸美化に対する意識の向上と河川美化対策の推進を計る事である。なお、海岸は立地環境条件、河川や海洋の影響、あるいは海岸利用者の人的要件がそれぞれ異なるため、海岸ごみの発生条件や発生量にはその海岸特有のものがあると考えられる。本調査では3箇所の海岸を選定して調査を実施したが、主要の海岸及び特徴のある海岸については、これらの調査を実施して海岸清掃計画策定上の資料とする必要がある。

調査報告書【PDF】

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