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調査研究事業

どんなごみがあるの? どこから来るの?

調査研究事業

海岸における漂着海藻の処理に関する調査

調査時期

1997年10月

調査目的

海岸での海藻処理の問題は、財団設立以前にも発生しており、市町からもその処理対策の検討について県に要望が出ていた。そのため、関係機関から入手できる資料を調査し、今後財団が海藻の処理をするにあたって、留意すべき点や効率的な処理方法について検討した。

調査方法

過去に神奈川県などで実施された以下に示す調査、研究の報告書や資料を要約し、整理・考察を加える。
・海藻処理技術開発事業報告書(平成元年12月)【神奈川県環境部環境整備課】
・海藻の流動床炉による燃焼実験報告書
・海藻の適正処理技術の開発に関する報告書(平成2年3月)【神奈川県環境部環境整備課】
・海藻の粉砕・乾燥化の実験結果【鎌倉市深沢清掃事業所資料】
・海藻(粉砕・乾燥試料)の肥料的効果試験結果【神奈川県農業総合研究所資料】

調査内容まとめ

海藻処理について、実験や基礎研究その他資料について調査、整理、考察を行い、実態を踏まえてまとめると次のようになった。
・海岸に埋め立てが可能な場所がある場合には、好気性条件(*1)が保てる深さ1.5mの穴に厚さ1mの海藻を埋め立てて覆砂をする。覆砂をする前に分解を速めるために窒素を栄養源として施し、必要に応じて天地返しをする必要がある。
・多量の海藻が漂着したり、埋め立て作業が不可能な場所では、焼却処分を処理対策の一つに加える。ただし、この場合、都市ごみに対して混合割合を20%として都市ごみ焼却処理場での受入れ体制を確立する必要がある。
海岸から海藻を運び出すためには、大型機械の導入、運搬車などの確保が必要になる。また、海岸近くで、海藻ごみの焼却処理を行う場合には、短期間の天日乾燥が可能な場所の確保、海藻ごみ単独の焼却施設の設置が必要となり、設置場所の確保と管理運営上の課題が残る。
・農業用地への有機物資源としての活用を図る。この場合、農業改良普及センターなど技術指導者との連携が必要である。有効利用をする場合には、何に活用するにしても現在のような漂着海藻にビニール、プラスチックなどの難分解性の異物の混入は禁物であることから、海岸のみならず河川上流の周辺環境美化にも力を入れることが重要であり急務である。

*1  好気性条件とは
有機物が微生物の作用を受けて分解する場合、酸素が十分供給されたときと、供給されないときでは、作用する微生物の種類及び分解産物が異なる。前者を『好気性条件での分解』という。