1. HOME
  2. 財団の案内
  3. 財団のポイント

財団の案内

profile

財団のポイント

point

今から30年前の相模湾は、ちょうど今の日本や世界のように「海のごみ」が問題となっていました。そこで先人たちは、一過性の啓発的なイベントをして終わるのではなく、しっかりと海岸のごみという現実に対処していく仕組みを作りました。
その仕組みが「公益財団法人かながわ海岸美化財団」です。神奈川県の海岸は、市街地から川を通じて流れ出てくるごみが非常に多いだけでなく、さらにそこに日本で一番人が訪れる、いわば都市型の海岸の象徴です。清掃という観点からみると、非常に厳しい条件と言ってよいでしょう。こうした環境の中、財団はこれまで約16万7千トンものごみを回収し、約317万人の清掃ボランティアをサポートという圧倒的な実績をあげてきました。
それを可能にしたのが他に類を見ない『実』のある仕組み。この『実』しかない仕組みのポイントを下記の4つに分けて解説します。

1. 海ごみ対策の先進的なモデルケース
2. 三つの清掃を一元管理。効率的な清掃が実現
3. ごみの回収量、清掃ボランティア人数の圧倒的な実績
4. 150キロの海岸のごみの状況を毎週更新、清掃へ反映
1. 海ごみ対策の先進的なモデルケース

海岸線は行政の境で分断されることはなく、ずっと続いています。しかし、いざそこを清掃するとなると行政区域で区分されるため、こちらの市の海岸は清掃されていても、隣は清掃がされずにごみが残るケースが発生します。これはとても非効率であり、清掃費も余計にかかってしまいます。
財団がこの境をなくしました。
海岸清掃費は、神奈川県と沿岸の130市町が折半で負担し、実際の清掃は財団が一元的に実施。これにより、行政区域を越えた一体的な清掃が実現。他に類を見ない、海ごみ対策の先進的なモデルケースとなっています。

事業費負担の割合
事業 費用の負担
市町 財団
海岸清掃事業 清掃 通常 50% 50%
緊急 100%
海岸砂防林
河川河口部
 100%
処理 100%
美化啓発事業 100%
美化団体支援事業
調査研究事業

財団は、表記載のとおり4つの事業を実施していますが、大別すると2つの性質の仕事に分けられます。
一つは県や市町が負担する海岸清掃事業と、もう一つは財団の自主財源で行う美化啓発以下の3事業です。
海岸清掃事業は、本来的に県と市町の自治体の仕事で、これを財団が受けて実施しているもので、言わば「一部事務組合的」な性質を持つ仕事と言え、従ってこの費用は、全額自治体が負担することになっています。
一方、美化啓発以下の3事業は、財団の自主事業で、基本財産の果実や企業・団体・個人から寄せられる会員会費、寄附金等を財源としており、言わば「本来の財団らしい」性質の仕事といえます。

海岸清掃事業における県と市町の負担関係
(1)通常清掃

県は、海岸の管理者として主に管理上の必要性から負担するのに対して、市町は、観光など地域振興や住民の海岸利用など、海岸をより清潔に保つ必要性から負担しています。県が海岸管理上の必要性から実施する清掃水準を超える清掃水準を地域が求めていることが、市町の負担につながっています。そして、財団設立以前に行っていた清掃事業の実績が県と市町で概ね等しい費用水準であったことなどから、負担割合は折半で合意されてます。

(2)緊急清掃

台風など大雨で大量にごみが漂着した場合の清掃費で、県が全額負担することになっています。大量のごみの漂着は、海岸管理上からも取り除く必要性が高いことや、河川等を通じて広域からもたらされるごみが大部分であるため、海岸の管理者であり、広域の自治体でもある県が負担しています。

(3)海岸砂防林、河川河口部の清掃

海岸砂防林や河川河口部は、その管理上の必要性から清掃するもので、県が全額負担しています。

(4)ごみの処理・処分

処理・処分は、ごみが発生した市町で行うものとされ、その際の手数料は原則無料とし、市町が負担しています。

海岸清掃事業の三つの特徴
(1)県と市町の協調の仕組みが同一

清掃事業の内容、事業費の負担、ごみの処理・処分等について、県と13市町が財団設立時にそろって合意しており、広域自治体で海岸等の管理者である県と地域振興や住民利用等の面から係わりをもつ13市町との関係が同一のフレームとなっています。

(2)各海岸の特性に応じた清掃の頻度と費用の負担

市町毎の清掃費用の負担額は、人口割合や海岸線の延長・面積などで決まるわけではなく、各海岸の特性を踏まえつつ、地域ごとに清掃水準を選択して決めることができる仕組みとなっています。
●各海岸の清掃水準は、概ね次のような要素を勘案して決められています。
・ごみの量及び種類(人工ごみ、自然ごみ、海藻など)
・海岸の形状(砂浜、礫浜、岩礁、岸壁など)
・利用の内容と頻度(観光、海水浴、散策、マリンスポーツなど)
・住宅街区の近接度  など
●具体的に最もお金をかけている海岸とかけていない海岸の比較をしてみると、面積当たりの清掃単価で58倍の差があり、海岸特性によって非常にメリハリをつけた清掃を実施していることがわかります。

最もお金をかけている海岸(A) 最もお金をかけていない海岸(B) 倍率(A/B)
海岸面積当たりの清掃単価
(円/ha/年)
※1ha=100m×100m
2,160,000 37,000 58.4
海岸特性 来遊客が多い
砂浜が多い
海水浴場
住宅地近接
来遊客が少ない
礫浜、岩礁
(3)清掃は財団が一元的に実施

清掃事業計画は、県や13市町が一同に会する連絡協議会が設けられており、ここでの協議で策定され、事業計画と予算を踏まえて実際の清掃を財団が一元的に行っています。このため、ビーチクリーナーなどの大型機械の活用をはじめ、行政界を跨ぐ海岸の一体清掃、海岸パトロールによる機動的な清掃、調査研究事業の成果の反映など、効果的な執行が可能になっています。

2. 三つの清掃を一元管理、効率的な清掃が実現

神奈川県の海岸清掃は、実は三層構造になっています。「業者委託清掃」・「ボランティア清掃」・「直営清掃」の3つです。
これを財団が一元管理して運用することにより、効率的かつ効果的な清掃を実現しています。例えば、大規模なボランティア清掃が入る予定だったら、そこの業者委託清掃をストップします。また、業者委託清掃で大方キレイな状態な海岸にボランティア清掃が入る際は海岸の端や柵の際など、なかななか手が回らない箇所を案内し、補完的な清掃を実施することができます。さらに委託清掃もボランティア清掃も入らない海岸だったり、放置ごみが多い海岸などは、財団職員による直営清掃も日々行われています。これができるのも、3つの清掃を財団が一元的に管理しているからこそ。3つの清掃を弾力的に運用することにより、なるべくお金をかけずにたくさんのごみを回収する、高い効果と効率が実現しています。

業者委託清掃

業者委託清掃では、神奈川県の海岸及び河川河口部・海岸砂防林を行政区域にとらわれず、清掃効率を考え、17の工区に分割し、清掃を業者に委託して実施しています。
業者委託清掃は、定期作業で行っているわけではありません。限られた予算の中で最大限に効果を発揮させるため、ボランティア清掃や財団職員が行う海岸パトロールに連動させて、汚れたときに、汚れた場所を、指示した工期の中で作業をする仕組みになっています。
●年間のごみ回収量:約2,000トン

ボランティア清掃

ボランティア清掃では、業者委託清掃ではすべて回収するのが難しいタバコのフィルターやプラスチック片などの小さなごみを一つ一つ手で拾います。それが年間16万人に及ぶため、小さなごみもない美しいなぎさの維持には欠かせない存在と言えます。広範囲を一気に清掃するのが得意な業者委託清掃に対し、小さなごみを一つ一つ取り除くことができるボランティア清掃。どちらも海岸美化には必要な存在で、この二つを組み合わさると、海岸は短時間でとてもきれいになります。
またボランティアの清掃は、毎週、各地の海岸で行われており、未体験者の参加の受け皿になっています。さらに、ボランティアが海岸で清掃している姿は、清掃活動の認知度を向上させるだけでなく、ごみを投棄させない啓発効果も期待されます。
●年間のごみ回収量:約50~100トン

直営清掃
(1)財団職員が海岸パトロール時に行う清掃

財団では、横須賀市走水海岸から湯河原町湯河原海岸までの約150kmに及ぶ海岸を5つのエリアに分けて、パトロールを毎日実施しています。そこでごみの漂着状況や業者清掃の確認以外にも、散乱ごみが目立つ場所では直営で清掃しています。
●年間のごみ回収量:約10~20トン

(2)オンシーズンに臨時職員を雇用し、直営部隊として行う清掃

海岸ごみが増えるオンシーズンに臨時職員を雇用し、直営部隊を編成しています。機動力に長けているので、ごみが多い箇所や普段なかなか手が回らない箇所などをピンポイントで清掃できるので、大きな成果を上げています。
●年間のごみ回収量:約150~200トン

 

3. ごみの回収量・清掃ボランティア人数の圧倒的な実績

財団設立時の1991年から2018年の27年間で、約16万5千トンの海岸ごみを回収し、約296万人の清掃ボランティアを無償でサポートしてきました。この海ごみ対策における圧倒的な実績は、財団が、常に海岸ごみの現場に根付き、ボランティアとFace to Faceで関係を築き上げ、「清掃の拠点」「ボランティアの拠点」として高く機能してきた結果と言えます。

海岸ごみ量の推移


海岸のごみは、「可燃ごみ」「不燃ごみ」「海藻」の三区分で回収しています。海岸のごみは、その年の天候、特に台風の襲来数によって増減しますが、海藻を除いた可燃と不燃の合計量は約2000トン前後で推移しています。これまで回収した総量は約16万7千トン。それだけの量のごみを海洋へ流出するのを防ぎ、「実」のある清掃の拠点として機能しています。

清掃ボランティア人数の推移

ボランティアでビーチクリーンしたい方には、ごみ袋とごみの回収を無償でサポートしており、ごみ拾い系のボランティア活動の二大障壁を取り除いたことが、ボランティア活動を促進する大きな要因となっています。
また、ビーチクリーンしたい方は財団へ電話やメール、専用WEBフォームから財団へ一本連絡すると、財団からごみ袋が送られてきて、そのごみ袋を使ってビーチクリーンをし、指定の場所にごみを集積しておくだけで、事前の団体登録や計画書の提出、実施後の報告等の煩わしい手続きは一切必要なく、手軽にビーチクリーンできる仕組みが構築されている点も増加の要因の一つです。
さらに、初めてだったり、海岸のことが不案内な方には、「清掃コンシェルジュ」のようなきめ細やかアドバイスを行っており、誰もが安心して活動を行えるボランティアの拠点として機能しています。

4. 150キロの海岸のごみの状況を毎週更新、清掃へ反映

毎週150キロの海岸を財団職員がパトロールし、どこの海岸にどんなごみがどのくらいあるのかをチェックしています。どこにどんなごみがどのくらいあるのか、150キロの海岸のごみ情報やマッピングがパトロールによって週二回更新され、その結果が翌週以降の清掃へ反映されます。ごみの現状把握だけで満足して終わることなく、きちんと清掃してごみを回収するゴールまでもっていっており、把握と清掃がセットとなった、ごみに対して即効性の高い対応を実現しています。

海岸ごみの状況把握

効率的、効果的な清掃を実施する上で、欠かさせないのがパトロール。150キロの海岸をエリアを分けて毎日パトロールし、ごみの状況を把握しています。海岸のごみは雨や風などの気象状況によって非常に変化するので、このくらいの頻度で見て回らないとごみをしっかりととらえることはできません。ごみは雨、風、波などで移動してしまうので、ごみの把握と回収はできる限り早くしないと、結局、ごみは海まで流れて、二度と回収できません。
実は、神奈川の150キロの海岸は、週2回、ごみマップが更新されているんです。他の地域の事例ですと年に4回、数キロのごみをマッピングするレベルですが、神奈川県では、150キロを最低でも週2回という、圧倒的に広範囲かつ高頻度でマッピングされています。そして、その情報を清掃までつなげて、しっかりと回収しています。ごみがあったで終わらせません
また、パトロールで回収できる程度のごみは、その場で回収、もっと多い場合は、翌週の清掃へ反映され、ごみを逃さない仕組みになっています。

清掃へ反映

パトロールの結果は、翌週以降の清掃へ反映されます。ごみが無ければ清掃は実施しませんし、逆にごみが大量にある報告がされたならば、予算の範囲ながら集中的に清掃を入れます。毎週何曜日は、ルーティンでごみがあろうとなかろうとこの海岸を清掃するということはしていません。ごみが多いところにピンポイントにです。パトロールのおかげで弾力的でメリハリの利いた清掃が実現可能になります。