ビーチクリーナー開発調査
調査概要
2006年4月~2010年
年度 | 内容 |
17 | 事前準備として、メーカーへ共同開発の打診 |
共同開発への応答があった株式会社フソーと開発会議、設計会議を複数回実施 | |
第1回 試作ビーチクリーナー実機テスト | |
18 | 第2回 試作ビーチクリーナー実機テスト |
第3回 試作ビーチクリーナー実機テスト | |
第4回 試作ビーチクリーナー実機テスト | |
番外編 防錆塗装の選定と実機塗装テスト | |
19 | 第4回実機テストにおける財団改善要望展の実機へのフィードバック、改良作業 |
片瀬東浜への導入 | |
20 | 導入機によるごみ採取性能の確認と改良1 |
21 | 導入機によるごみ採取性能の確認と改良2 |
ごみ採取性能の検証 | |
防錆塗装性能の検証 | |
22 | 導入機による消耗部、基幹部の耐久性能の確認 |
事前準備段階で声掛けした国内メーカー複数社のうち、対応可能の応答があった株式会社フソーと平成17年度より開発を実施。開発・設計会議を経て実機を製作し、平成19年度から財団に導入。実機における海岸での検証作業を実施し、ごみ採取性能、防錆性能、メンテナンス性能、耐久性能等の調査を行っている。
調査目的
従来市場に流通し、導入できるビーチクリーナーは外国製に限られていたため、下記の問題があった。①購入値段が高い ②メンテナンス時の部品の値段が高い ③部品の供給等に時間がかかる ④海外の広大でフラットで柔らかな砂質を想定した設定で、国内のでこぼこで硬い砂質の海岸では充分に性能を発揮できない ⑤財団のノウハウを機械の改良にフィードバックできない その解決のため、日本国内メーカーと連携し、湘南海岸の特性に合った財団特注機を共同開発する。
調査内容のまとめ(平成24年度まで開発調査作業中)
ごみ採取性能
従来の外国製ビーチクリーナーよりごみ採取性能を高めるために、ステンレス製のピンで掻き上げていた方式(タイン方式)から路面清掃用のブラシを混在させる方式(タインブラシ方式)に改良し、従来取りこぼしていたタバコのフィルターやペットボトルのキャップ等の細かいごみの採取率を向上させた。また、一度に清掃できる幅を従来の120cmから150cmに30cm拡げ、清掃効率も向上させた。
防錆性能
ビーチクリーナーは、海岸で塩分を含んだごみや海藻、砂を掻き上げるため、機械の腐食の進行が激しい。そのため、フレーム等における防錆塗装の調査を実施。結果、防錆能力、直営メンテナンス時の再塗装のしやすさ、環境性能などを勘案してNoxudolを採用した。
メンテナンス性能
国内メーカー製のため部品部材の入手が容易で、低価格で部品納期が早いメリットはあるが、メンテナンス作業のしやすさは若干劣る。
耐久性能
実機は、平成19年度に導入したので、耐用年数として設定している5年間の耐久結果は、平成24年度の検証となる。ただし、初導入機は現在に至るまで、フレームや動力伝達部での比較的重度なトラブルが複数回発生しており、それらの改良や軽量化と剛性のバランスの見直しは、改めて必要と思われる。