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お知らせ

海ごみの現場から

いつもと変わらないこと〜コロナ禍と台風ゼロの年の終わりに

そろそろ2020年が終わろうとしています。今年は多くの方にとって特別な年だったと思います。美化財団では二つの点で特別でした。

まず、一つが海岸へのコロナ禍の影響です。
神奈川県の海岸は、春には立ち入りの自粛が呼びかけられ、夏には、海水浴場が開設されませんでした。これまで体験したことのないストレスがかかる日々の中で、癒しの場所として、多くの方にとって、海岸がなくてはならないものとなりました。
そうした海岸を守る私たちが目指したことは「いつもと変わらないこと」です。海岸への立ち入り自粛期間であっても、清掃を止めることはありませんでした。海水浴場が開設されなくても、夏の江の島周辺や鎌倉などの海岸は、毎日、夜明けと共に清掃を開始しました。いつも通りのことです。
いつもと変わらない美しい海岸が人々を癒し、それを守るため、いつもと変わらない仕事を粛々と進めてきた期間であったといえます。

もう一つ特別だったことは台風が上陸しなかったことです。
これは12年ぶりで非常に珍しいことでした。その影響で、海岸は、秋から年末まで非常にきれいな状態が続いています。前年は、過去最強クラスだった台風19号が直撃した影響で、相模湾沿岸がごみだらけになり、年が明けてもその片づけに追われました。
今年は、普段手が回らない海岸や細かな清掃を全面的に実施でき、近年稀にみる美しい海岸を維持できています。

ここで忘れてはいけないのは、海岸のごみが少ない、イコール、ごみが減ったわけではないということです。それらは、海岸まで流れてこないだけに過ぎません。海岸のごみの7割が陸域から川を通じて流れてきます。つまり、海岸にごみが無い分、それらは陸域に溜まり続けているということです。
いつかまた大量のごみが海岸を覆うときがやって来ます。清掃する身にとっては、それも「いつもと変わらない」ことです。しかし、その「変わらないいつも」は、私たちの日々のちょっとした心がけで変えることが出来ます。毎日の暮らしから、小さな取組みを重ね拡げていくことが海のごみがなくなることにつながっていきます。

来年も多くの方に美しい海岸を楽しんでいただけるよう、私たちは、いつもと変わらずしっかりと海岸の美化に努めていきます。

皆様、大変な一年、本当にお疲れさまでした。そして、沢山、お世話になりました。ありがとうございます。

2021年も皆様にとって幸多き年になりますように。

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