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海岸清掃事業

海をキレイにする

海岸清掃事業

海岸清掃事業 2023年度トピックス

海岸ごみ回収量 合計:1,619トン ( 可燃:1,028トン 不燃:294トン 海藻:297トン)

令和5年度は、9月上旬まではごみが多かったものの、以後、台風の直撃もなく、ごみが少ない状態が続きました。
4月は強い南風の影響でカツオノエボシやカツオノカンムリが漂着、さらに黒潮に乗って海外からの漂流ごみも大量に漂着しました。6月は初頭に季節外れの台風が襲来し、県内だけでなく県外からのごみが大量に漂着しました。7月と8月は酷暑の中、ゲリラ豪雨によって流出したごみの処理に追われました。9月下旬からは台風の直撃もなく、キレイな状態が続きましたが、年度の終わりに春の嵐が襲来し、一気にごみだらけになりました。

4月 カツオノエボシとカツオノカンムリが漂着

カツオノカンムリ

カツオノエボシ

例年6月~7月に漂着することが多い「カツオノエボシ」や「カツオノカンムリ」が、4月に吹き続けた強い南風の影響で、相模湾沿岸に大量に漂着しました。両方ともクラゲの一種で、特にカツオノエボシは猛毒で、触れると非常に危険なため、メディア等を通じて注意喚起がなされました。

4月 海外からの漂流ごみが増加

外国製牡蠣の養殖用の浮き

白の平型コンテナ

外国製ペットボトル

現在、本州の南岸沖を西から東へと流れる黒潮が大蛇行し、通常より相模湾に近い状態が続いています。
そこに4月に強い南風が吹いたため、黒潮に乗ってやってきた海外からのごみが続々と海岸へ吹き寄せられました。
海外からのごみは、普段あまり目にしない形状をしているだけでなく、長期に渡って漂流しているため、表面にエボシガイや藻などが付着し、見た目も異なる場合が多いです。

5月 バーベキュー(BBQ)ごみシーズンの始まり

ゴールデンウィークから一気にBBQごみが増え始め、週末のたびに大量のBBQごみが海岸に捨てられている状況が秋まで続きました。
余った食材だけでなく、ビンや缶、さらに一度しか使ってない器材がそのまま放置されているケースが多くありました。
また、自然に還るのではという間違ったイメージからBBQの炭を砂浜に埋めていく行為が各所で散見されました。

6月 台風2号襲来

6月2日に例年より非常に早いタイミングで襲来した台風の影響で、相模湾沿岸に人工ごみ混じりの木くずが大量に漂着しました。
特に酷かったのが平塚市と二宮町の海岸で、全域に渡ってごみに覆われてしまいました。

6月 県外から流木が大量に漂着

台風2号によって、まずは県内から海に流出したごみが大量に海岸に漂着し、それらをざっと清掃した後に、今度は、県外から流出した流木が黒潮によって相模湾沿岸に大量に漂着し、その処理に追われました。
県内からのごみは、人工ごみ混じりの細かな木くずで漂着場所も河口付近が多かったのに対し、県外からのごみは、人の体ほどもある太い流木ばかりで、漂着場所も沿岸全域に拡がり、同じ海岸ごみでも全く異なる特徴がありました。

7月・8月 酷暑での清掃

令和5年の夏は7月後半から8月にかけて非常に暑くなり、日本の6月~8月の平均気温は1989年の統計開始以降、最も高くなりました。
そのため、海岸清掃の現場は過酷を極め、非常に細かく休憩をとりながら、慎重に作業を進めました。
中でも玉砂利の海岸は、照り返しと輻射熱でとても暑く、何もしなくてもぐったりするほどでした。

7月~9月 ゲリラ豪雨と南西風

夏場、海沿いは晴れて天候が安定しているのにも関わらず、海岸にごみが漂着するケースが多くありました。
その原因はゲリラ豪雨と強い南西風で、内陸部でゲリラ豪雨が発生すると、ごみが一日遅れで海岸に流れ着き、また、強い南西風が吹くと、黒潮にのった海外からのごみが吹き寄せられました。
どちらも、漂着のタイミングが非常に予想しづらく、対応に苦労しました。

8月 ウツボとアナゴが大量漂着

8月28~30日にかけて、鎌倉市由比ヶ浜と材木座にウツボとアナゴが約200匹打ち上げられました。
他の海岸では、数匹程度の漂着にとどまり、鎌倉市域の海岸に集中した原因は不明でしたが、夏の終わりの海水浴場でウツボとアナゴの回収に追われました。

10月~3月 安定した天気が続く。相模湾側はキレイで、東京湾側がごみが多い

10月は台風の直撃が無いだけでなく、雨も少なく、その状態が年明けの3月まで続いた影響で、相模湾沿岸は非常にキレイな状態が3月末まで続きました。
冬場は雨が少ないだけでなく、北風が吹くため、たとえ雨が降って陸から海へとごみが流れ出ても、相模湾のように多くの海岸が南に向いている海岸では、冬の北風が海から海岸にごみが打ち寄せるのをブロックします。
それと真逆だったのが東京湾側の北向きの海岸。北風によって湾内に浮遊するごみが海岸に吹き寄せ、ごみの漂着が止まりませんでした。

2月・3月 クギが大量に露出

春先の強い南西風によって海岸の表面の砂が飛んで、砂の中から「クギ」が大量に出てきました。
これは、夏の海の家の解体時に砂浜に落ちたモノで、古いクギだけでなく、新しいものもかなりあり、海の家が建つほとんど全ての海岸で見つかりました。
財団では、毎年千本単位で回収していますが、なかなか減らないのが現状です。

3月 年度末に春の嵐襲来

相模湾沿岸はキレイなまま年度末を迎えられるかと思っていた3月29日、春の嵐が襲来し、それまでの状況が一変、ごみだらけになりました。
雨の後、南西の風が強く吹いたため、東向きの海岸や河口の東側に多くのごみが漂着しました。

財団直営部隊における海岸清掃事業

7月から11月までの103日間、4人組1班体制で財団直営部隊が海岸清掃に取り組みました。
直営部隊は、ごみが多い海岸を中心に清掃を実施し、約160トンのごみを回収することができました。